自律神経失調症とは

自律神経失調症とは?

体の様々な機能を無意識に調整している「自律神経」の働きが乱れることで、はっきりと原因が分からない不調が起こる状態を「自律神経失調症」と言います。
具体的には、肩こり・頭痛・めまい・胃もたれ・倦怠感などの身体的な症状に加え、不眠・イライラ・抑うつといったメンタル面の不調が現れることがあります。
早めに対処することが重要です。

こんなお悩みありませんか?

  • 以前より憂うつな気分になることが多い
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 仕事や勉強に集中しにくくなった
  • 暑くないのに顔が火照る、汗をかきやすい

自律神経失調症のタイプと特徴

自律神経失調症は、個人の体質や生活状況によっていくつかのタイプに分かれます。どのタイプかを知ることで対処法も見えてきます。

本態性型

生まれつき自律神経のバランスが崩れやすい体質。低血圧・虚弱体質などが見られる。生活習慣の見直しが必要。

神経症型

精神的な影響を受けやすい。感受性が強く、ストレスに敏感。心のケアが重要。

心身症型

人間関係・仕事など日常的なストレスの積み重ねによって症状が出る。責任感が強く“頑張りすぎる”人に多い。

抗うつ型

心身症型が進行して、やる気が出ない・落ち込みなど“うつ状態”に近い症状を伴うタイプ。心療的な対策が必要

主な症状

症状には「身体的なもの」と「精神的なもの」があり、それぞれに現れる具体例があります。

身体的な症状

めまい、発汗、動悸、頭痛、だるさや疲労感、肩こり、腰痛、しびれ、胃腸の不調など。血流の不安定さや筋肉の緊張が関係しています。

精神的・心理的な症状

イライラ、不安感、気分の落ち込み、集中力の低下、リラックスしにくいといった状態。副交感神経の働きが弱くなるため、休息モードに入りにくくなります。

自律神経失調症の原因

自律神経のバランスが乱れる原因には、次のような要素があります。複数が重なって症状が出ることが多いです。

ストレス

仕事・人間関係などの心理的ストレスだけでなく、騒音・光・寒さ・暑さといった物理的ストレスも影響します。

生活リズムの乱れ

昼と夜の切り替えが曖昧、夜更かし・昼夜逆転などで交感神経/副交感神経のスイッチがうまく働かなくなります。

睡眠不足や睡眠の質の低下

十分な睡眠が取れない・眠りが浅いなどにより、体と心の回復が不完全になります。

ホルモンバランスの乱れ

特に女性では、生理前後・妊娠・出産・更年期などの時期に自律神経が乱れやすくなります。視床下部(神経系とホルモン系の制御センター)への影響が関わります。

類似症状や疾患

自律神経失調症と似た症状を呈する病気も存在するため、症状だけで自己判断は危険です。
以下は代表例です。必要に応じて専門医の診察を受けましょう。

  • 神経性胃腸炎:胃痛・吐き気・胸やけなど、胃腸の急性症状が中心。
  • 過敏性腸症候群:ストレスによる腸の過敏反応で下痢や腹痛が生じる。
  • 過呼吸症候群:不安や緊張時に呼吸が過剰になり、めまい・頭痛などを伴うことがある。

対処法・セルフケア

日常生活の見直し

規則正しい生活リズムをつくる。朝起きる時間・就寝時間を一定に保つ。夜更かしを避ける。

睡眠の確保と質の向上

快眠環境を整える(暗さ・静かさ・温度など)、寝る前のスマホ・PCを控えるなど

栄養バランスの良い食事

タンパク質・ビタミンB群・鉄分など、体の機能を支える栄養を意識する。偏った食事・食べ過ぎ・食べなさすぎを避ける。

ストレスの発散・リラックスの工夫

入浴・アロマ・音楽・趣味など、自分に合った方法でリラックスできる時間をつくる。気持ちの切り替えを意識する。

運動を取り入れる

ウォーキング・ジョギング・水泳などの有酸素運動は、血流改善・呼吸改善を通して自律神経を整える効果があります。

自律神経失調症の予防法

自律神経は、ストレス・生活習慣・環境などの影響を受けやすく、乱れてしまうと不調を引き起こしやすくなります。以下の習慣を日常に取り入れて、神経のバランスを整えましょう。

入浴で心身をほぐす

お風呂にゆったり浸かることで、からだの緊張が緩みます。これにより副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスしやすくなります。入浴は“ただ体を洗うだけ”ではなく、温かい湯の温度・時間などにもこだわると効果的です。疲れが溜まっている日は意識的にゆっくり入浴タイムを作りましょう。

生活習慣を整える

規則正しい生活リズム

毎日の起床時間・就寝時間をできるだけ一定にすることで、自律神経の切り替えがスムーズになります。

食事のバランス

栄養の偏りや食べ過ぎ・欠食を避け、三食しっかりとり、できるだけ規則正しい時間に食べるようにしましょう。

ストレスを溜め込まない

ストレスが続くと交感神経が優位な状態が続き、体も心も休まらなくなります。日々の生活で小さなストレス対策を取り入れることが予防につながります。
ストレス解消の方法は人それぞれ。入浴・香り(アロマ)・音楽を聴く・趣味を楽しむなど、自分に合ったリラックス法を見つけて意識的に使いましょう。

有酸素運動を習慣にする

ウォーキング・ジョギング・水泳などの有酸素運動は、呼吸・血流を改善し、交感神経と副交感神経のバランスを整える助けになります。運動は「無理なく続けること」が重要。頻度・時間・強度を自分の生活スタイルに合わせて調整するとよいでしょう。

症状が気になったら、まずはお気軽にご相談ください